書籍詳細
極上CEOに捕獲されました
あらすじ
再会した彼は御曹司! 情熱的な求愛に翻弄されて……
最高級ホテルのブライダル課で働く倉田奈々には忘れられない思い出がある。三年前のパリ、海外研修中に偶然出会った志貴という男性と甘い恋に落ちたのだ。苗字も家庭環境も話したがらない志貴と結ばれたが、あっけない失恋という辛い経験で、いまも心に深い傷を残していてーー。そんな奈々のもとに現れた「新社長」の正体が、あの志貴だなんて……!?
キャラクター紹介
倉田 奈々(くらた なな)
三条グループの傘下ロイヤル・ルクシエール ・ホテルのブライダル課に勤める25歳。3年 前のパリでの失恋を引きずっている。
三条 志貴(さんじょう しき)
三条グループの傘下ロイヤル・ルクシエール ・ホテルの若きCEO。子供の頃から海外で生 活しており、祖母に頼まれ日本へ戻って来た。
試し読み
「社長、どこへ行くんですか?」
「いい加減、志貴と呼んでくれないか?」
「……志貴、どこへ行くの?」
『俺に落ちてくれないか?』と言った志貴。わたしはずっと前にあなたに落ちていた。パリで出会った時も恋をしたけれど、再会した時も一瞬で恋に落ちていた。だけど色々考えてしまって踏み込めなかった。……志貴の気持ちは痛いくらいわかったから……わたしは志貴の胸に飛び込みたい。
「やっと名前を呼んでくれた」
志貴は運転をしながら口元を緩めた。
「うちに向かっている。ちゃんと話をしよう」
右手をステアリングから離し、膝の上に置いたわたしの手に重ねられた。
千代田区三番町にあるマンションの地下駐車場へ車を停めた志貴はわたしを自宅へ案内する。
二十階建ての最上階だった。パリのアパルトマンもすごく贅沢だったけれど、このマンションもホテルのスイートルーム以上の豪華さがあった。
リビングまで足を進めたわたしの背後から志貴の腕が回る。
「奈々、愛している」
志貴の唇がわたしの首筋に跳ねのように触れていく。
「志、……貴っ、話をするんじゃ……ぁ……」
「三年間忘れようとしてもダメだった。君は意図的に俺を避けたんだと思っても、奈々を忘れられなかった。俺のものになる決心はついた?」
志貴の吐息が耳をくすぐり、腰が疼いてくる。
「どうしてこんなに君に惹かれるのだろう」
彼の腕の中で振り向かされ、額にも唇が落ちる。ちゅっと甘い音をさせて唇が離れ、志貴はわたしと瞳を合わせる。
「志貴……、うん。わたしも志貴のものになりたい……」
わたしの告白に、志貴は目を見張って驚いている。
「本当なのかい? もう箍が外れる一歩手前まできている。俺のものに?」
恥ずかしくてコクッと頷いたわたしに志貴は顎をすくい、唇を重ねた。啄むような口づけはしだいに深くなっていく。胸の鼓動は暴れて痛いくらいだ。
抱き上げられてお姫さま抱っこされ歩いている時も、志貴のキスは止まない。
優しくベッドの上に横たわらされ、再び唇が塞がれる。
「ん……し、……き……わたし、シャワーを……」
「一緒に浴びよう」
身体を起こされたわたしはびっくりする。
「ひとりで……」
「俺は片時も奈々を離したくない」
志貴はそう言い切って、わたしをバスルームへ連れて行った。志貴はわたしの服を有無を言わせずに脱がしていく。
ドレスの後ろのファスナーが下げられ、ブラジャーとショーツ姿になってしまった。志貴は自分の服を脱ぎ始める。
「恥ずかしがることはないんだ。奈々の身体がとても綺麗だったことを忘れていたよ」
羞恥心いっぱいのわたしに彼は微笑んだ。