書籍詳細
イジワル社長の恋人レッスン
あらすじ
恋人なら、これくらいするだろう?
一途な社長×奥手女子 嘘から始める本当の恋
美人で人気者な姉に引け目を感じ、男性との付き合いに自信が持てない美咲。初めて淡い恋心を抱いた人が、姉の恋人だとわかり、告白もできないまま失恋する羽目に。傷つく美咲に声をかけてきたのは、勤め先の社長・遊佐大輔だった。強引で口の悪い大輔に反感をおぼえる美咲へ、失恋から立ち直るために恋愛の手ほどきをしてやると言いだして……!?
キャラクター紹介
星野美咲(ほしのみさき)
インテリアが大好きな二十五歳。同世代の男性が苦手。
遊佐大輔(ゆさだいすけ)
美咲が勤める会社の社長。イケメンだけど強引なところも……。
試し読み
大輔さんの指が時折首に当たりドキドキしてしまう。
そして出来たよ言う代わりに首筋にチュッとキスが落とされ身体がビクッとする。
嬉しいのと恥ずかしいのとでどんな顔して大輔さんを見れば良いのかわからず
こっち向いてと言われるまで顔を上げられなかった。
大輔さんはじーっと私をみて「似合ってるよ」と微笑むと私の手を引いて祭壇の前へ
そして祭壇の前に立つと私の左手を持ち上げた。そして薬指に唇を落とすと上目遣いで私を見つめ微笑んだ。
「本当はここにリングをはめたい所だけど…本番まで取っておくよ」
「え?」
それって…もしかして。私の心臓がうるさいくらいドキドキしてしまう。
「それと、今回みたいな思い違いや勘違いしないように…ここでちゃんと約束する。
美咲、もう何があっても離さないから…愛してるよ」
「大輔さん…私もどんなことがあっても離れません」
「それだけ?」
悪戯っぽく口角を上げて笑顔を見せる。
「それだけじゃないけど…」
面と向かって気持ちをストレートにいうことがほとんどなかったため喉まで出かかってはいるのに寸でのところでとまってしまう。
「じゃあ、言ってよ」
わざと耳元で囁く様に促す
私は深呼吸をする。そして今の大輔さんへの思いを口に出す。
「私も愛してます」
顔を上げるとすぐ目の前に大輔さんの顔があってゆっくりと近づいてきた。
そして私が目を閉じたと同時に唇が重なり合った。
初めてのキス。
小さい頃キスには味がある…なんてことを聞いていた。
でも実際は味がどうのこうのではなく気持ちがダイレクトに伝わってくるんだ。
唇を通して全身に幸せな気持ちが溢れる。
だからみんなキスをするんだ。
そして一度唇が離れ目を開けると大輔さんが愛おしそうに私を見つめていた。
私はどんな顔をしてるかな?私の大輔さんへの気持ちはちゃんと伝わってるかな?
大輔さんの手が私の頬を包み込むと再びキスをした。
帰りたくない。
こんな風に思う日が来るとは思っていなかった。
でもやっと思いが通じ合った途端にこんなワガママをいうのはどうなのかな?
そう思いながら一旦店に戻った。車のキーを戻し裏口から出る。
すると大輔さんは外で誰かに電話をしているようだった。
今日は私たちのミスで大輔さんの手を煩わせてしまった。
きっと仕事も溜ってるんだろう。
次の約束もしていないけど仕事の邪魔になる様なことはしたくない。
時計を見ると終電にはまだ間に合いそうだ。
ゆっくり近づいて一礼して帰ることを身振り手振りで伝え帰ろうとすると
大輔さんが行くなと言わんばかりに私の手を掴んだ。
そしてちょっと待てと手で合図をすると私の方をじっと見た。