書籍詳細
極上ドクターの旦那様はシークレットベビーとママを溺愛中
あらすじ
「一生大事にする。もう離さない」
エリート外科医の甘すぎ愛育生活
愛する彼のために、妊娠を隠して双子を出産した真緒。ひとりきりで育てていたが、ある日事故で彼の記憶を失くしてしまう。そんな真緒の前に、双子の父親だと名乗るエリート外科医の寛貴が現れ…!?「これからは俺が君たちを守る」――空白を埋めるように子供たちと真緒に愛を注ぐ寛貴。熱く甘い独占欲を受け、真緒の恋心も昂って抑えきれなくなり…。
キャラクター紹介
本田真緒(ほんだまお)
看護師三年目。事情があり、一人で双子の子どもの子育てをしている。
高倉寛貴(たかくらひろき)
記憶を失くした真緒の元に姿を現した男性。脳外科医として働いている。
試し読み
初めての動物園デートのあと、高倉さんは数日おきにうちに通ってくるようになった。いつも、差し入れを持って。
「うわあ、ダメですよ。こんなにたくさん」
彼の貢ぎ物は、双子のおむつ、フォローアップミルクなど消耗品が多かった。
正直、とても助かる。好みじゃないおもちゃや洋服をもらうよりうれしい。
それに私と母の健康も気遣ってくれ、癒しグッズとか栄養ドリンクや湿布まで持ってきてくれる。
今日の差し入れは子供用のレトルト食品だった。
「ん? この味嫌いだったか?」
「そうじゃなくて、毎回毎回申し訳なくて」
ありがたいけれど、かかっている金額を考えると心苦しくなる。
「気にするなよ。あんまり気にされるとその方がつらい」
高倉さんが来るのは、主に休みの日や、仕事が早く終わった日。双子のお世話の手伝いに来てくれるのである。
食事介助、入浴介助、寝かしつけ。
保育園から帰ってきてからの三大地獄を味わおうという申し出をしてきたときは、この人正気かなと思った。
「じゃあありがたく……」
早速使わせてもらおうと台所に向かうと、居間の方から双子の笑い声が聞こえてきた。
高倉さんが来ると、二人は大喜びだ。
彼は余裕のない私の代わりに双子と遊んでくれる。しかもおうまさんごっことか、肩車とか飛行機のように子供を担いで回すとか、私にはできないダイナミックな遊びをするのだ。
彼が来ない時はぼーっとテレビを見ていることが多かった双子。表情がみるみる明るくなったような気がする。
「はい、にいにがくれたご飯だよ~」
双子を呼ぶと、高倉さんと母でひとりずつ座らせ、食事介助が始まった。私はその間、大人の食事の準備ができる。
双子の分を先に取り分ける必要がないので、今日は自分たちが好きな物を食べよう。もちろん、簡単なものばかりだけど。
今日の献立は豚キムチと卵スープ、千切りキャベツ。以上。
「よかったら高倉さんも一緒に」
いつもこうして誘うが、彼は断る。
「俺はいいよ。双子を風呂に入れたら帰るから」
大人がひとり増えることでうちの負担が増えるのを、気にしているのだろう。こうしていつも若干多めに作った食事は朝食とお弁当に回されることになる。
食事を終えて少し休ませたら、次はお風呂だ。
高倉さんに双子を運搬してもらうと、裸を見られかねない。なので、お風呂に入れる係と途中で運搬する係は、私か母。
高倉さんには体拭き、着替え、フォローアップミルクを飲ませる係をしてもらうことになっている。
「俺が入れようか。そうしたら君とお母さんが後でゆっくり入れるだろう」
という申し出をしてくれるのだけど、そうしたら彼の裸を私や母が目撃することになってしまう。
それもまた恥ずかしいので、素直にそう伝えてお断りした。
彼は「俺は見られても平気だけど、君が不快に思うならば仕方ない」と真面目に返してきた。不快っていうか、恥ずかしいんだってば。
とにかくいつもは戦争だった夕方の時間が、高倉さんひとりの手が加わることにより、私と母の負担がかなり減った。
入浴が終わったあと、髪を乾かし、スキンケアをして戻ると、居間にはもう誰もいなかった。
「今、高倉さんが寝室に連れていったから」
母がお茶を飲みながら言った。時計を見ると、まだ午後八時。この時点でちゃんとパジャマを着ていられる時点で奇跡だ。
「高倉さん、いい人だね。双子もよく懐いてる」
「だね。まさかここまでしてくれるとは思わなかったよ」
元カノの家だと言えど、ここまで他人の家に入り込むには、それなりに勇気も要るし、気も使うはずだ。
しかし高倉さんは、ごく自然に私たちの家に溶け込んだ。というか、そういう努力をしたのだろう。
彼のメンタルの強さには私もビックリしている。
「やり直してみてもいいんじゃない? あなたたちが出ていくと、私は少し寂しくなるけど」
「突然なによ。楽になるんじゃないの?」
慎重になれと言っていた母も、献身的に子育てに参加する高倉さんを見て、心を動かされたようだ。
私も、動物園のときから彼を信用してもいいかなと思っていた。
「楽にはなるけど、やっぱり寂しいわよ」
私が出ていくと、この家は母だけになる。弟がひとりいるけど、県外に就職して滅多に帰ってこない。
「でも、娘と孫の幸せが一番だからね」
テレビをつけた母は、なんとか聞こえるくらいギリギリまで音量を落とした。ちょうど健康バラエティ番組が始まったところだ。
テーブルにはコーヒーとお菓子が乗っている。
「私、寝かしつけ代わってくる」
母の言葉は聞こえなかったことにした。なんだか照れくさかったから。
「うん。高倉さんもお腹が空いただろうし」
母も何事もなかったように返事をした。
そーっと和室のふすまを開けて身を滑り込ませる。常夜灯がぼんやりと並んだ三枚の布団を照らしていた。
真ん中の布団に高倉さんが寝ている。左右に双子がひとりずつ、ころんと転がっていた。もう寝ているようだ。
「はや……」
私が早く寝かせようとする日は、絶対にいつまでももぞもぞしているのに。そのあとのひとりになれる時間が欲しくて焦っていると、子供も敏感にそれを感じるのかな。
結局一緒に寝落ちするまで寝ないことが多いけど、今日は早かったらしい。二人を起こさないよう、そーっと真ん中の布団に近づく。
ひざまずいて、高倉さんの肩を優しく叩いた。声をかけたり強めに叩くと、音で双子が起きてしまうかもしれないと思ったからだ。
「ん……」
高倉さんは起きない。闇に慣れてきた目に、彼の寝顔が映る。
寝ていてもイケメンはイケメンなんだなあ……。
寝顔さえも美しい高倉さんに、しばし見惚れた。
仕事で疲れているのだろう。私だって寝落ちしてしまうのだから、彼が同じことになっても不思議はない。
むしろ高倉さんの方が勤務時間は長く、責任のある仕事をしている。外来診察や病棟の患者さん回りだけでなく、オペもある。
たまに、彼が無理をしているのではないかと心配になる。ゆっくり休む日があってもいいのに……。
ただこのままここに泊まらせるわけにはいかない。彼のシフトは不規則で、私は完全にそれを把握しているわけじゃない。
このまま寝かせておいてあげたいけど、もし明日の仕事に間に合わなくなったりしたら大変だ。お風呂も入っていないし。
気の毒だけど、本気で起こすことにした。しかし双子は起こしてはならない。
考えた私は、高倉さんの顔に自分の顔を寄せた。近すぎる距離に、胸が高鳴ってしまう。
「高倉さん。高倉さん」
耳元でささやく。すると、高倉さんはううんと眉根を寄せた。
「真緒……」
彼は目を閉じたまま、私の名前を呼んだ。かと思うと、突然私を長い両腕でとらえたのだ。
背中に腕を回されて、バランスを失った私は彼の上に倒れ込む。叫びそうになったけど、なんとか堪えた。
「真緒……行くな、真緒」
もしかしなくても、寝ぼけてる?
これは、双子を起こしてはいけないとか言っている場合じゃない。この体勢を母に見られたら、気まずいことこの上ない。
というか、これ以上は私の心臓がもたない。
「高倉さん、起きてください」
私は彼の脇腹を、指で強くつねった。
「ん?」
刺激で覚醒したのか、彼は瞬きをする。腕の力が弱くなったので、勢いよく彼から体を引き剝がした。
「あれ……もしかして、寝落ちしてたか?」
左右に転がった双子を見て、髪を直す仕草をする高倉さん。どうやら私を抱き寄せたことはわかっていないようだ。
私だけが暗闇の中、どくどくと心臓を躍らせていた。顔が赤くなっているのがわからなくて、ちょうどいい。
「はい。ありがとうございました」
平静を装い、返事をする。
「いやいや」
高倉さんは身軽に上体を起こし、双子それぞれのお腹に、布団をかけた。
「じゃあ、帰るよ」
「え、あ」
こんなところでお別れじゃなくて、玄関まで送らなきゃ。立ち上がろうとしている高倉さんと一緒に、腰を浮かせると。
「いいよここで。またな」
高倉さんは一瞬で距離を詰め、私の唇を奪った。大きな手が、頭に回されている。
ここを出たら、母がいる。そのことが余計に、私の胸の鼓動を煽った。
心地よすぎる感触に、めまいがしそうだ。過去、私たちは何度もこういうことをしたのだろうか?
啄むように数回、ついて離れた唇。最後にギュッと押し付けて、ぬくもりは離れていった。
気づいたら、私の両手は彼の胸板に乗っていた。そうすることが当然とでもいうように。
記憶がそうさせたのか、はたまた本能なのか。
とにかく恥ずかしいやら照れくさいやら。私は素早く両手を背中に隠した。
「一緒に住む気になったら、いつでも連絡をくれ。待ってるから」
固まった私に手を振り、高倉さんは和室の外へ出る。
「あら真緒は?」
「交代してもらいました。今夜はこれで失礼します」
部屋の外の会話が漏れ聞こえた。私は脱力し、ぽてっと布団の上に身を沈ませる。
ああ、びっくりした。突然あんなことをするんだもの。完全に不意打ちだった。
まだ、胸の中がバクバクしている。自分の鼓動が双子に聞こえて起きないか、心配になるレベルだ。
抱きしめたり、キスをしたり。完全に付き合っている人たちがすることだ。あるいは夫婦か。
彼と一緒に住み、母の目がなくなったら、いったいどうなってしまうだろう。想像しかけたら落ち着かなくなり、布団の上で足をバタバタさせた。
「ん~」
娘が難しい顔をして起きそうになったので、スッと足を止めた。ただ息の乱れを抑えるのは容易ではなかった。
落ち着け、私。思春期の少女じゃあるまいし。私は大人で、母親なんだから。
何度深呼吸をしても、高倉さんの顔がまぶたの裏から消えてくれない。彼の声が耳の奥で聞こえるような気がした。
『行くな、真緒』
彼の寝言を思い出し、ふと閃いた。
高倉さんは、私が姿を消したときの夢を見ていた?
勝手にいなくなった私を責めたことは、今まで一度もない。けど、彼にとっては夢に見るくらい、つらい出来事だったのだろう。
何度考えても思い出せない。どうして私は、あんなに素敵な人と別れようなどと思ったのかな。
今の私なら、絶対に彼の手を離したりはしないのに。
ハッとして布団からがばりと飛び起きた。そうか。私、彼と離れたくないと思っているんだ。
双子を踏まないように注意し、寝室から出た。お風呂に入る直前だった母をつかまえる。
「ごめん、ちょっとだけ二人を見てて」
母にそう言伝すると、廊下を忍者のように足音を消して走り、玄関を出た。
ちょうど、高倉さんの高級車が静かにうちの敷地から出て行こうとしているところだった。
「高倉さん!」
私が声をかけると、車がぴたりと止まった。運転席の窓が開き、高倉さんが身を乗り出す。
「どうした?」
ちょっと走っただけなのに、いや走ったとも言えない距離を急いで移動しただけで息切れがした。
だけど、心臓がドキドキするのは、そのせいだけじゃない。
「あの……さっきの件ですけど」
「うん?」
高倉さんが車を降りようとするので、両手を出して止めた。
さっきは暗かったからよかったけど、すっぴんだし、部屋着の古いTシャツ姿だし、前髪はゴムでちょんまげにしてるし、今はあまりじっくり見られたくはない。
私は息を整えてから言った。
「そのままで。ええと、同居の件、考えました。双子との生活に慣れていただくためにも、必要なことだと、思います」
「ん? つまり、一緒に住む話を進めてもいいっていうこと?」
とてもまわりくどい言い方になってしまったので、高倉さんは眉間にしわを寄せて考えるような仕草をした。
やっぱり私は、自分の気持ちを伝えるのが下手だ。
高倉さんの言葉にうなずいた私は、わかりやすい言葉を探した。
「はい。結婚の話も、前向きに考えたいと思っています」
双子のことをこれほど想い、行動に移してくれる人は、高倉さんの他にはいないだろう。
「本当に?」
高倉さんの眉間からしわが消え、ぱっと表情が明るくなった。暗闇の中でも発光しているかのように、眩しく感じる。
「私なんかでよければ」
「いいに決まっている。是非前向きに検討してくれ。とりあえず、同居の件を先に決めよう。今日は遅いから、また連絡する」
彼が狭い窓から手を伸ばす。私はその手を、そっと握った。
私とは違う、節くれだっている長い指。この繊細な指でオペをし、患者を救っているのだと思うと、余計に胸が熱くなった。
「これからもよろしく」
キュッと私の手を握り返し、彼は手を離した。
「体を冷やすなよ。おやすみ」
こくりとうなずくと、高倉さんは窓を閉め、車をゆっくり発車させた。
家の前が静まり返ると、急に肌寒さを感じた。彼が握った指先だけが、いつまでも温かい。
「ダメだなあ、私」
小さなため息が落ちた。
同居の件も、結婚の件も、「双子のためによさそうだから」という理由を高倉さん本人に強調してしまう。
彼が「双子にとっていいお父さんになってくれそうかどうか」はもちろん、最優先事項だ。双子が幸せになれないのなら、私は結婚しない。
その点、彼は今のところすごく一生懸命にやってくれている。
まるで、妊娠中から産後の一番大事な時期に離れていた事実を、埋めようとするかのように。
条件や、家事育児に協力してくれそうかは大事だけど、結婚を前向きに考える理由はそれだけじゃない。
私は、彼のことを好きになりかけている。
双子だけじゃなく、彼はこんな私のことも大事にしてくれる。それどころか、私自身を女性として扱ってくれている。
それがどんなにうれしいことか、伝えたいのにうまく伝えられない。
だって仕方ないじゃない。双子が生まれてから育児と仕事ですり減って、恋愛センサーが錆びちゃってるんだもの。
古い言葉で言えば干物女だった私は、高倉さんが現れてから、急に色々な刺激を吸い込んでいる。すると、眠っていた感覚がよみがえってくる。
つらい、しんどい、眠い、だるい、疲れた。ネガティブな感情ばかりだった日々が、カラフルに彩られていく。
彼がいなくなって感じる寂しさも、その一部だ。
本格的に体が冷えてきたのを感じた私は、家の中に入る。寝室のふすまを慎重に開けると、双子はすうすうと安らかに眠っていた。
二人の寝顔を見て思う。高倉さんと一緒に、親子四人で幸せになれたら、どんなにいいだろう、と。
数日後、私は病院の更衣室で着替えをしていた。いつも適当な動きやすい格好をしているのだけど、今日は違う。
「あれ? これからお出かけですか?」
近くで着替えていた看護補助者さんに声をかけられる。彼女は五十歳で、同じ病棟に勤めている。
仕事ぶりは真面目で、私にも気さくに話をしてくれる。いい人なのだけど、うわさ話が好きなのが玉に瑕だ。
「ええ、まあ」
私は実家のクローゼットに眠っていたワンピースを着ていた。シンプルなデザインだから大丈夫かと思ったのだけど、もしかして変かな?
よく考えれば、動物園に行ったときも、まず実家に置いてある服を発掘すべきだった。後悔先に立たず。
「双子ちゃんは?」
補助者さんは、私に双子の子供がいることを知っている。
「今日は母が迎えに行ってくれます」
興味津々な顔でのぞきこまれ、私は一歩退く。
「そうか。お母さんがいれば安心ね」
「で、どこに誰といくの?」と続きそうだったので、私は挨拶をしてその場から逃げた。トイレで簡単にメイクを直し、病院出口に向かう。
今夜は高倉さんと同居の打ち合わせをするため、一緒に食事に行こうという話になった。
母は「私が双子を見ているから、行っておいで」と快く送り出してくれた。
打ち合わせは実家でもできると思っていた。しかし実際に高倉さんが家に来ると、喜んだ双子が彼の傍にべったりくっついて遊ぼうとせがむので、落ち着いて話ができなかったのだ。
服も靴も、数年前のものだから似合っているかわからない。ただひとつ救いなのは、出産しても体型がほぼ変わっていないということだ。
久しぶりのワンピースは、なんだか気恥ずかしい。足が風に吹かれ、落ち着かない。
ソワソワしていると、正面玄関前のロータリーに、一台の高級車が入ってきた。高倉さんだ。
「お待たせ」
「あっ、どうぞそのままで!」
私は停まった車から高倉さんが出てこようとするのを、制止した。
男性と二人で車に乗り込むところを病棟の誰かに見られたら、明日からなにを言われるかわからない。
前の職場ならいいけど、今の職場はなにかと気を使う。
というわけで、自分で助手席のドアを開け、乗り込んだ。
「よろしくお願いします」
彼は返事をしない。代わりに、こちらを黙って凝視していた。
もしかして……このワンピースがちょっと前の物だって気づかれた? 流行の服ではないから、ダサイって思われたかな。
「あの……あっ、やっぱり変ですよね! すみません、ぼろぞうきんみたいな服しかなかったので、昔の服を発掘したんですけど、似合ってなかったかなー、みたいな」
弁解をしているうちにどんどん恥ずかしくなって、車から降りたくなってしまった。
「いや、違う。見惚れていたんだ」
高倉さんはそう言うと、車を発進させた。病院の敷地から出たとき、ぼそりと言った。
「それ、俺があげたものなんだ」
「えっ?」
「それを着た君とデートしたことを思い出した。捨てていなかったんだな」
うつむいていた顔を起こし、彼の方を見た。高倉さんは照れくさそうな、はにかんだ笑顔を見せた。
「ありがとう。今でもとても似合っている。綺麗だ」
信号が青になり、高倉さんは前を向く。私は火がついたように熱くなった頰を、どうすることもできなかった。
そうか、そうなんだ。この服……。独身の私が選んだにしては、えらく上品だと思ったんだよね。
「ああ、早く君と一緒になりたい」
呟く彼に、なにも返事ができなかった。こういうとき、気の利いた言葉のひとつも出てこない私のどこを、この人は好きになったんだろう。